いつか、眠りにつく日
「ほんとサラリーマンみたいね。他にも担当している人がいるって言ってたでしょう?そっちの方は行かなくてもいいの?」

「あのなぁ」
クロが立ち止まって私を指差す。
「俺だって好きこのんでそばにいるわけじゃないんだ。お前がさっさと解消しないからいるんだろうが。他の担当してるやつなんて、ルールを説明したらさっさと自分の力で未練解消して旅立っていくんだ」

___ムカ

「別にいてって頼んでいるわけじゃないでしょ」

 売り言葉に買い言葉。ついそう言ってしまった。

「変な地縛霊に食われそうになったり、相手を驚かせて逃がしたり、お前ひとりじゃ何にもできてないだろうが」

「そんなことない。私だってひとりで未練解消くらいできるもん」

< 160 / 264 >

この作品をシェア

pagetop