いつか、眠りにつく日
 そう叫ぶと私は走り出した。

 角を曲がるとすぐにカリアゲたちの姿が見えた。涼太が気づいて手を振る。

 振り返ってもそこにはクロの姿はなかった。

「あれ?先輩は?」
事情を知らないカクガリが尋ねてくる。

「いいの、あんなヤツ。さっさと行こう」

「行こう行こう」
涼太が楽しげに声を上げる。

「行こう行こう」
私もそう言う。


 明るい声と裏腹に、胸が痛かった。



< 162 / 264 >

この作品をシェア

pagetop