いつか、眠りにつく日
「そうに決まってるだろ。まぁ、確かに俺も少しは言いすぎたとは・・・」
最後の部分が小声すぎて聞こえなかったが、ようやくここ何日かの胸のつかえが取れたような感覚になった。

「お願い、クロ。私やるから、未練解消やるから。どうか一緒にいて」
本心だった。恭子の話を聞いた今、私に躊躇させるものは何もなかった。

「・・・決めたのか?」
クロが半信半疑という顔で問う。

「うん、大丈夫。もう悩んでない」

「えらいぞ」

 右手が伸びて、恭子にそうしたように頭の上に手を置かれた。


 なんだか心地よかった。






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