いつか、眠りにつく日
「毎日をなんとなく生きていると、気づかないことってあるのね」

「人間は、後悔を背負って生きてゆく生き物なのかもな」
哲学めいたことを言って、クロは満足そうに自分でうなずいている。

「あっちの世界ってどんなところなの?」

「さあな。それは自分の目で確かめるんだな」
そっけない言葉にも慣れた。

「私も大人になったもんだ」

「は?なんか言ったか?」
いぶかしげにクロがこちらを見たので、
「何でもありませ~ん」とごまかしておく。

「大丈夫か?明日でもいいんだぞ」

「珍しい、こないだまではせかしてたくせに」








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