いつか、眠りにつく日
「フン」
得意の鼻をならすと、
「決心がついているのは表情で分かるからな。こないだまでのお前とは違うよ」
とそっぽを向いた。

「ふうん。でもね、逃げてばかりじゃだめだって分かったの。涼太君も恭子さんも、みんな自分の運命を受け止めていた。だから、私もやらなきゃね」

「そっか」
その言い方にもトーンで肯定的なのが伝わる。

 今日までの日々を思い返す。

 人は困難にぶつかったとき、まず『拒絶』を示すと言う。

 私もそうだった。

 そして次にくるのが『怒り』。

 同じように私も、自分の状況を受け入れられなかった。


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