いつか、眠りにつく日
3、
いつものように隠れて場内を見渡すと、トラックの真ん中あたりに立っている蓮が見えた。
ちょうど背中を向けているので表情は分からないが、肩で小刻みに息をしているところを見ると、走り終えたばかりのようだ。
ふと、肩に手が置かれたのが分かった。
「蛍、お前ならやれる」
顔を見なくても分かる。クロは本気で私を心配してくれている、と。
「ありがとう、クロ。行ってくるね」
「おう」
何でもないような言い方がかえって気持ちをラクにさせる。
___ありがとう
もう一度だけ心で言ってから、私はトラックに足を踏み入れた。
ちょうど背中を向けているので表情は分からないが、肩で小刻みに息をしているところを見ると、走り終えたばかりのようだ。
ふと、肩に手が置かれたのが分かった。
「蛍、お前ならやれる」
顔を見なくても分かる。クロは本気で私を心配してくれている、と。
「ありがとう、クロ。行ってくるね」
「おう」
何でもないような言い方がかえって気持ちをラクにさせる。
___ありがとう
もう一度だけ心で言ってから、私はトラックに足を踏み入れた。