いつか、眠りにつく日
 自分の足元から、手から、身体からも光が燃えるように現れるのが分かった。

 燃えるような金色の光は、これまでの光よりも強く私を包む。


 蓮の目に今、私が映っている。

 私が大好きだった目だ。

 不思議と心は落ち着いていた。


 私は笑って蓮に言う。

「蓮」

 私がこの世に残した、最後の未練の名前。

 誰よりも愛した名前を言葉にする。


 一瞬の間があっただろうか、蓮の表情がゆっくりと変わりだす。

 意外にもそれは、笑った顔だった。

「おかえり、蛍」




 


 




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