いつか、眠りにつく日
 その言葉になぜか、心臓が音をたてた気がした。

___死んでいるのにな

 クロが一呼吸置いてから口を開いた。

「蛍、お前はまだ死んでいないんだ」

 思わず笑みがこぼれる。
「何それ」

「半分だけ死んでいるんだ」

「ちょっと」
さすがに不愉快な気持ちになった私は抗議をした。
「変な冗談やめてよね」

「さすがの俺でも冗談を言って良い時と悪い時くらいわきまえているつもりだ。そして、今は冗談を言ってはだめな時だ」

「分かってるんじゃん」


 
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