いつか、眠りにつく日
「選択・・・」

 状況がのみこめない。

 死んでいると思っていた自分がまだ生きている?

「選択できるんだ。生きるか死ぬか。どちらの道にも進める。半分生きていて、未練解消をしたものの特権ってとこだ」
あくまで冷静にクロは言う。

「そんなの簡単じゃん。選択するまでもないよ。生きたい、私は生きたい」

 クロは苦笑すると、
「しっかり考えろ。これまでのことを思い出せ。そして、選択するんだ」
と言った。

 考える間でもない。


 お父さん

 お母さん

 おばあちゃん

 栞

 蓮


 もう会えないと思っていたみんなに会える・・・

 もうかなわないと思っていた再会ができるなら・・・


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