いつか、眠りにつく日
「その光が消えた時、お前は目覚める。目が覚めた時、未練解消の記憶はすべて消される」

「クロのことも忘れちゃうの?」

 クロが右手を私の頭に軽く置く。
「それでいいんだ。生きてる人間に興味はないからな」

 そっけない言い方にも涙が出そうなくらいのやさしさを感じる。


 光がどんどん強く光る。炎のようにゆらめく。

 あきらめていた生への道があったことが、こんなにもうれしい。

 それはクロがいたおかげだ。

 「クロ、ありがとう」
心から言った。

 クロがさみしそうに見えたのは、私の勘違いか。



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