いつか、眠りにつく日
 福嶋タキが私の前に来る。

「おばあちゃん・・・」

「蛍ちゃん、ごめんね。案内人さんは悪くないの。悪いのは私たち。私たちが案内人さんにお願いしたの」

 手を握って今にも泣き出しそうな顔をしている。

「どういうこと?分からない、分からないよ」

 栞も、そして蓮も、どうしてそんなに悲しい顔をしているの?

 背後からクロの声が聞こえる。

「お前が未練解消をした人たちだ。お前が努力して解消したように見える。でも、実は違うんだ。本当は、彼らが未練解消をしていたんだ」

「それって・・・」

「お前が事故にあって危篤状態になった時、実は彼らも一緒に死んでいたんだ」

  


< 248 / 264 >

この作品をシェア

pagetop