いつか、眠りにつく日
「そうだな」
クロが私を見る。
「言えばお前は未練解消をしてくれただろう。蛍はやさしいからな」

「そうだよ」
不平を口にするが、クロの目は悲しいままだ。

「蛍、でもな、もし事情を話していたとしたら、未練解消をしたお前がさっきみたいに『生きる』を選択できたか？」

　ハッとして３人を見る。

　もし自分だけ生きられることを知ったとしたら・・・。

　タキが口を開く。
「そう、それが心配だったのよ。蛍ちゃんはやさしいから、私たちと一緒に行くって言うんじゃないかって」

「同じく」
栞が手の平を挙げて同意する。
「蛍の性格だと、後先考えずに合わせてくれる気がしたの。だから、案内人にお願いして『生きる』を選択するまでは、蛍が未練解消してるかのように演じてもらったの」



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