いつか、眠りにつく日
 タキがそばに来る。

「蛍ちゃん。最後に会えてうれしかった。あなたに鏡をあげたいっていう未練も解消できておばあちゃん、本当に良かったって思ってるの」

「おばあちゃん・・・」

「私も」
栞の手が肩に触れる。
「蛍と仲直りできて良かった。これでこの世に未練なく行けるから。本当にありがとう」

 首を横に何度も振る。
「こんなのってないよ・・・」

 涙が止まらない。

 私だけが生きるなんて。

 3人がいない世界に戻るなんて。

「蓮」
その名前を呼ぶ。

「ん?」
やさしく蓮は微笑む。

「お願い、私も連れていって」


< 255 / 264 >

この作品をシェア

pagetop