いつか、眠りにつく日
「あれ、ここって・・・」
ようやくバスを降りた私は、見慣れた風景に声を出した。

「ええと、相手の名前は福嶋タキ」

「おばあちゃんだ!」

「そうらしいな」
クロがうなずいた。

「え?名前しか知らないんじゃなかったっけ」
不思議に思って尋ねると、クロはなぜか慌てた感じで、
「あ、ああ。まぁ、それくらいは調べなくても俺クラスになると分かるんだ」
と、胸をはってみせた。

「なんか、あやしい・・・」

「気にするな。老けるぞ」

 死んでるんだから歳はとらないだろうに。

 福嶋タキは母方の祖母で、3ヶ月前くらいからこのバス停から歩いて5分の総合病院に入院している。おばあちゃん大好きっ子の私は、学校帰りによくお見舞いに来ていた。



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