いつか、眠りにつく日
 肩に置かれた手に力が入ったかと思うと、それを通じて何かが自分の中から流れ出てゆくのが分かった。

「すぐにラクになる。お前はすぐに消えてなくなるからね。苦しいのはもう少しさ」

 目を閉じる。

 身体から力が抜けてゆくのが分かる。

 怪物の息遣いが激しくなる。

___ああ、この怪物に精気を吸い取られるんだ。でも、それもいいかもしれない


 その時、後ろの方で何か音がしたかと思うと、怒鳴るような声が聞こえた。

 目を開けると突然視界が怪物から外され、空が見えたかと思うと、鈍い痛みとともに地面に叩きつけられた。

「・・・なに?」




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