いつか、眠りにつく日
 視界の端に、まだキョロキョロとあたりを見回している祖母の姿が映った。

「おばあちゃん、おばあちゃん!」

「しっかりしろっ」
突然頬に痛みが走った。クロに叩かれたと分かるまでしばらく時間がかかった。

「お前は未練解消をしなくちゃならないんだ。くだらないことで悩むのはやめろ。泣きたいなら全部の未練を解消してから泣け!悲しむなら、全部終わってから悲しめ」

 呆然と立ち尽くす私が反省したとでも思ったのか、
「分かったか?」
と、クロが一言尋ねた。



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