いつか、眠りにつく日
 ふと、蓮が立ち止まる。

 首をかしげて見るその視線は、私に向いているように感じた。

「まさか・・・ね」

 それでも蓮はしばらく動かずに見つめてくる。

 思わず両手を見るが、身体は光っていなかった。

___見られていないはず

 10秒ほど時間が流れたのだろうか。

 蓮は再びトラックの先を見つめて走り出した。


 安堵のため息がこぼれる。

 彼は私がいない毎日を生きている、そう思うと、なぜか胸がざわつく気がした。














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