いつか、眠りにつく日
「栞・・・」

「あ・・・私・・・」
栞の様子はおかしかった。口に当てた両手が、まるで幽霊でも見たみたいに震えている。

___じっさい見てるのか

「驚かないで、私」
そう言いかけて手を伸ばそうとすると、
「いやぁぁぁぁ」
絶叫に近い声で栞は叫ぶと、その場から走って逃げ出してしまった。

「ええっ!?」
逃げてゆく栞を唖然と見送っていると、クロが肩を押した。
「おい、逃げたぞ。早く追え!」

「ええっ!?」

「ほら早く!」
クロが栞の消えた方向へダッシュで走り出すのを見て、ようやく私も走り出した。


「なんでぇ、なんでぇ!?」





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