いつか、眠りにつく日
 スーツ姿なのにクロの足はかなり速く、あっという間にふたりの姿は見えなくなってしまった。

「幽霊なら飛んでよ~」
おのれの身体に言ってみるが、悲しいくらい足が遅い。

 しまいには走っているのか歩いているのかすら分からない速度になってしまい、もうあきらめて歩くことにした。

「もう、なんなのよ・・・」

 商店街からはイメージソングらしい軽快な音楽が流れてくるが、それが余計に疲労を増加させている。

「クロー?栞ぃ?」
どうせ周りには聞こえないだろうと、声を出してみるが反応はなかった。
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