いつか、眠りにつく日
「もうっ・・・また地縛霊に会ったらどうすんのよ」
ぶつぶつと商店街を抜けると、急に田舎の風景が広がってきた。

 土手の方に足をすすめると、小さな鳥居が見えてきた。

「あれ?」

 行く手に着物を着た女の子が立っているのが見えた。

 じぃっとこっちを見ているかのようだ。

「・・・嫌な予感」

 女の子の周りには黒い煙がうずまいており、この世のものではないことが分かる。

 引き返そうとするのだが、まるで吸いつけられるように足が歩みを止めない。

「ちょっ、やばいよ!クロ!クロ!!」
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