ヘアカラー
第一章 そして世界は始まりを告げる
この日は、なぜか目覚ましなしで起きることができた。


今日は入学式。新しい生活の始まりだ。


「準備は出来てる?気をつけて行ってらっしゃいね、美奈。」


お母さんが心配そうな、それでいて嬉しそうな表情で私の顔を見てきた。


お母さんのそんな表情をみて、少し照れてしまう。


私の名前は相沢美奈、15歳。今年から高校生になる。


「じゃあ、行ってきます。」


玄関のカギを開け、外に出た。


新しい制服に新しい靴。


鞄も、髪止めも全て新しくした。


そんな格好で外に出ると、自然と今までとは違う感じがする。


深く息をして、そのままバス停を目指して歩き出した。















< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop