ヘアカラー
「あ、美奈ちゃん!」


声をかけられたのは、まさにバスが来てドアを開いたその瞬間だった。


「あれ、愛華ちゃん」


突然のことだったので、思わず無愛想な声が出てしまう。


「わぁ、同じ高校なんだ!また一緒に通えるね!嬉しいな~」


彼女は芹沢愛華、小学校の頃の数少ない友人と言える友人だ。


「私もだよ!中学校違っちゃったもんね。」


私も愛華も中学受験をし、その結果中学が違った愛華とは、なかなか会う機会が無かった。


二人で満員のバスに乗り込むと、愛華が思い出したかのように私の顔をみて言った。


「ねえ、美奈ちゃん。中学校どんな感じだった?」
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