帰宅部全国大会

不思議な先輩だけど見た目は完璧。帰宅部というわけがわからない部活だけど、こんな美人な先輩と毎日帰れるのなら役得というやつじゃなかろうか?


これで俺もリア充街道まっしぐら! 我が世の春がきたー! って感じ。


だけどこのままニヤニヤしていたらただの変質者だ。


入部云々の話はさておき、出来れば冬月先輩とは良い関係を築いておきたい所。


まずはコミュケーションだ。会話をしなければ始まる恋も始まらない。


「先輩、帰宅部って何人部員がいるんですか?」


「部員か? 私を含めて現在四人だ」


「思ったより少ないんすね」


「ただ単に部活動に所属していない者は、我々の世界では部員とは呼ばないからな。帰宅部と無所属は似て非なる者だ。覚えておけ」


俺にとっちゃどっちも同じですよ。


と思ったけど、こんなこと言って機嫌を損ねたら折角の帰宅デートが台無しだ。


え? デートじゃなくて体験入部だろって? んなことはどうでもいいんだよ。
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