帰宅部全国大会

なにが悲しくて変態のイチモツを見なきゃいけないのだ。


しかも先輩と一緒に。こんな時どんな顔すりゃいいんだよ。


頭の中で「笑えばいいと思うよ」というシンジ君の声が過ったが、振り払って帰宅に集中。無駄なことを考えている暇はない。


敵はどこから襲ってくるのかわからないのだ。


と思っていたのだけど、駅に着くまで妨害者と出会わなかった。あれー?


流石の先輩も想定外らしく、顔には出さないけど驚いているようだ。


何もないのはいいことだが不気味すぎる。


あちらの動向もきになるけど、無暗にiPadは使用したくないし……。


何やら臭う。嫌な臭いだ。


案の定パスモは抜き取られていたので、販売機に直行して切符を購入。


スムーズに行けたので、一本前の電車に乗ることが出来た。


最寄駅からマンションまで徒歩で二十分。不可侵領域のことも考えると、仕掛けるとしたら駅から出た直後だろう。
< 191 / 263 >

この作品をシェア

pagetop