帰宅部全国大会

暴力沙汰は勘弁してほしいぜと思いながら電車に乗ると、なにやら違和感が襲いかかってきた。


この車両、学生ばっかじゃね?


視界に映る人の姿は、学ラン学ラン学ランたまにセーラー。


身動きし辛いなかなかの混雑具合で、そのほとんどが学生という光景である。


おかしいぞ。


今は夏休み。補習授業があるかもしれないが、この量の学生が同じ時間で同じ車両に乗り込むとは考えにくい。


まさか……!


「先輩」


「嗚呼、この殺気は間違いない」


この場に居る学生全員が妨害者!


これだけの人数を集めて、さらに俺や先輩に気付かれないようにこの車両に集まるなんて、並大抵のことじゃない。
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