帰宅部全国大会
それでも強弱をつけながら尻を揉み上げるこの手は、うっかり触れてしまったというレベルではない。
やべぇぞ俺。このままじゃ貞操の危機だ。ケツを掘られる趣味はねぇぞ。
痴漢野郎を確認しようと思ったがこの大所帯。身動き一つ取れない上、誰が犯人かわからない。
ここは先輩に手助けしてもらって……駄目だ! そんなことしたら俺が痴漢にあってることが先輩にバレるじゃないか!
男のプライドが許さない。男が男に痴漢されるなんて一生の恥……ひぃんっ!?
だだだめだ。このままじゃ本当に失ってはいけないものを失ってしまうことになる。
プライドなんかクソ喰らえ。んなもん犬にくれてやらぁ!
「あの、先輩……なんか、痴漢されてるみたいで……」
恥を忍び小声で今自分が置かれている危機的状況を先輩に知らせると、先輩は眉間を寄せて険しい表情を見せた。
「痴漢? どこをだ?」
「お尻です……」