帰宅部全国大会

間違いない。この女、世間一般的に言う恥女だ!


「やはり君か、“誘惑の婦女子”」


「二つ名……ってことはこいつも!?」


「こいつって言わないでね。お久しぶり破壊神。貴方の可愛いペット、ちょっとだけつまみ食いさせてもらうわよ」


俺はペットじゃねえし、つまみ食いもされねえから!


と啖呵を切ってやりたいが、無暗に叫んだら減点される。この変態恥女めっ……!


「てか、教室にいなかっただろ。途中参加なんてルールはねぇぞ」


「帰宅神だからといって、必ずしも大会にエントリーしているとは限らないわ。私の目的は、こうして乳臭いガキを誘惑して破滅させること。折角だから楽しみましょ」


うふふっと気味の悪い笑みを浮かべて、誘惑の婦女子は手の動きを再開させた。


「ちょっ!? やめろって」


身体を捻ったりして逃れようとするが、その度に真横にいる男子学生にギュウギュウと寄りかかられて身動きを封じられた。
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