帰宅部全国大会

もしかしたら誰かいるかも知れないし、その時に次の練習日を聞こう。そんでその日に見学しよう。


頭の中でプランを立てて、校舎の裏側にひっそりと佇む部活棟を目指す。


もし俺が“部活棟に行く”という選択肢を取っていなかったら、きっと冬月先輩と一生関わることなく高校生活を終えていただろう。


そう思うと人生ってなにがきっかけで変わるかわからない。毎日がサプライズの連続だ。まじで。


部室棟は二階建て。流石私立、割と綺麗な佇まいじゃないか。無駄に金かけてんな。


私立高校の財源力に関心しながら、まずは一階から手当たり次第にサッカー部の部室を探す。


扉に部活のプレートが下がっているからすぐに見つかるはず。そう高をくくっていたが、サッカー部の名前だけ見つからない。


あれー? もしかして二階の方か? ていうか部活多すぎだろ。


しゃーない二階に行くか。と、諦めかけたその時。


一番隅の部屋。その扉にかけられたプレートに、思わず二度見をしてしまった。


それもそのはず。なにしろそのプレートに書かれていた部活の名前は……。
< 4 / 263 >

この作品をシェア

pagetop