ビロードの口づけ
犬のようにパタパタと尾を振りながら、青い瞳が上目遣いにクルミを見つめる。
愛嬌のあるかわいらしい表情に思わず頬が緩んだ。
クルミがそっと頭を撫でると、銀の獣は身体を伸ばして、クルミの口元をペロリと舐めた。
「きゃっ」
クルミの小さな悲鳴と同時に横からジンの鋭い爪が獣に向かって繰り出される。
獣はヒョイと飛び退いて窓から離れた。
ジンと距離を取った獣は二本足で立ち上がった。
その身体が見る見る人型に変化していく。
少しして半人半獣と化した獣は、緩くウェーブのかかった銀の髪をかき上げながら、ゆっくりと顔を上げた。
手の甲や背中、下半身が銀の毛並みに覆われたままのその人は、紛れもなく兄の秘書をしているライだった。
頭の上に残っている獣耳をピクピクさせて、ライはおどけたように肩をすくめる。
後ろでは銀のしっぽがゆらゆらと揺れていた。
愛嬌のあるかわいらしい表情に思わず頬が緩んだ。
クルミがそっと頭を撫でると、銀の獣は身体を伸ばして、クルミの口元をペロリと舐めた。
「きゃっ」
クルミの小さな悲鳴と同時に横からジンの鋭い爪が獣に向かって繰り出される。
獣はヒョイと飛び退いて窓から離れた。
ジンと距離を取った獣は二本足で立ち上がった。
その身体が見る見る人型に変化していく。
少しして半人半獣と化した獣は、緩くウェーブのかかった銀の髪をかき上げながら、ゆっくりと顔を上げた。
手の甲や背中、下半身が銀の毛並みに覆われたままのその人は、紛れもなく兄の秘書をしているライだった。
頭の上に残っている獣耳をピクピクさせて、ライはおどけたように肩をすくめる。
後ろでは銀のしっぽがゆらゆらと揺れていた。