ビロードの口づけ
17.黒い獣
クルミは窓を閉じて再びベッドの縁に腰を下ろした。
ザキの襲撃に備えて、ライはそのまま屋敷内にとどまる事になった。
兄の秘書は辞めてしまったので、ここにいる事が知られてはまずい。
というわけでジンの部屋にいてもらう事になったのだ。
ライはジンと同等くらいの能力があるらしい。
母はゆうべの騒ぎの心労で朝から伏せっている。
しばらくはジンの部屋に来る事もないだろう。
元々病弱な母は部屋に閉じこもりがちで、同じ家に住んでいながらクルミ自身あまり顔を合わせる事もなかった。
突然、前触れもなく窓が開いた。
クルミは反射的に立ち上がる。
カーテンをよけてジンがヒラリと部屋に入ってきた。
窓を閉めながらジンが独り言のように言う。
「本当は約束の日まで待つつもりだったが、悠長に構えている場合じゃなくなった。
今すぐ力が欲しい」
ザキの襲撃に備えて、ライはそのまま屋敷内にとどまる事になった。
兄の秘書は辞めてしまったので、ここにいる事が知られてはまずい。
というわけでジンの部屋にいてもらう事になったのだ。
ライはジンと同等くらいの能力があるらしい。
母はゆうべの騒ぎの心労で朝から伏せっている。
しばらくはジンの部屋に来る事もないだろう。
元々病弱な母は部屋に閉じこもりがちで、同じ家に住んでいながらクルミ自身あまり顔を合わせる事もなかった。
突然、前触れもなく窓が開いた。
クルミは反射的に立ち上がる。
カーテンをよけてジンがヒラリと部屋に入ってきた。
窓を閉めながらジンが独り言のように言う。
「本当は約束の日まで待つつもりだったが、悠長に構えている場合じゃなくなった。
今すぐ力が欲しい」