ビロードの口づけ
クルミも全てのボタンを外し終えたものの、袖を抜くのをためらっていた。
「まだ思い出さないか?」
顔を上げると一糸まとわぬジンがいた。
華奢だと思っていたが、無駄な肉のない引き締まった身体にドキリとする。
再び目を逸らそうとした時、ジンの身体が徐々に真っ黒な毛に覆われ始めた。
「獣王だけが人間の女を手に入れる事ができる。あんたを手に入れたいと思った」
半人半獣となったジンは身体を折って床に両手両膝をつき更に変化を続ける。
「他の誰にも汚されたくない。だからオレは獣王になった。あんたを汚していいのはオレだけだ」
そこに現れたのは、五年前にこの部屋に侵入した黒い獣だった。
あれほど会いたいと願った美しい獣が目の前にいる。
自然と胸が高鳴り、クルミは両手で口を覆った。
「まだ思い出さないか?」
顔を上げると一糸まとわぬジンがいた。
華奢だと思っていたが、無駄な肉のない引き締まった身体にドキリとする。
再び目を逸らそうとした時、ジンの身体が徐々に真っ黒な毛に覆われ始めた。
「獣王だけが人間の女を手に入れる事ができる。あんたを手に入れたいと思った」
半人半獣となったジンは身体を折って床に両手両膝をつき更に変化を続ける。
「他の誰にも汚されたくない。だからオレは獣王になった。あんたを汚していいのはオレだけだ」
そこに現れたのは、五年前にこの部屋に侵入した黒い獣だった。
あれほど会いたいと願った美しい獣が目の前にいる。
自然と胸が高鳴り、クルミは両手で口を覆った。