ビロードの口づけ
「私はリビングで本を読んでいるから、あなたは休んで下さい。ゆうべも眠ってないし、今夜は特に大変なんでしょう?」
どうやらジンを休ませようとしているらしい。
リビングなら頻繁に人の出入りがあるし、頼めばモモカや侍女たちが一緒にいてくれるからだろう。
「あんたがリビングに行くならオレも行く。できる限り側にいるようにとの命だ」
クルミは不満げに眉を寄せ、上目遣いにジンを睨んだ。
少しして本を抱きしめ、意を決したように言う。
「では、ここで休んで下さい。私は側で本を読んでいます」
「は? 休んでたら側にいても守っているとは言えないだろう?」
「あなたと私の手を紐で繋いでおけば、何かあった時には飛び起きる事ができます」
にっこりと微笑むクルミを、ジンは呆気にとられて見つめる。
このお嬢様は、時々ジンには思いもよらない事を言い出す。
そしてそんな時には決して退かない。
どうやらジンを休ませようとしているらしい。
リビングなら頻繁に人の出入りがあるし、頼めばモモカや侍女たちが一緒にいてくれるからだろう。
「あんたがリビングに行くならオレも行く。できる限り側にいるようにとの命だ」
クルミは不満げに眉を寄せ、上目遣いにジンを睨んだ。
少しして本を抱きしめ、意を決したように言う。
「では、ここで休んで下さい。私は側で本を読んでいます」
「は? 休んでたら側にいても守っているとは言えないだろう?」
「あなたと私の手を紐で繋いでおけば、何かあった時には飛び起きる事ができます」
にっこりと微笑むクルミを、ジンは呆気にとられて見つめる。
このお嬢様は、時々ジンには思いもよらない事を言い出す。
そしてそんな時には決して退かない。