ビロードの口づけ
5.VS兄
用件を伝えるとコウは仕事に戻った。
クルミは斜め後ろにジンを従えてリビングへ向かう。
ノックして入ると、兄のカイトは部屋の中央にあるソファに座り、お茶を飲みながら新聞を読んでいた。
クルミに気付いた兄はパッと笑顔をほころばせて立ち上がる。
そして大股で歩み寄り、クルミを思い切り抱きしめた。
クルミの額にキスを落とし、心配そうに顔をのぞき込む。
「心配したよ、クルミ。また獣に出遭ったんだって?」
「えぇ。でも彼が守ってくれたの」
「彼?」
クルミが振り返り視線でジンを指すと、兄はクルミから離れながら少し眉を寄せてジンを見つめた。
ジンは初めて会った時と同じ穏やかな表情で兄に挨拶をする。
兄はホッとしたように笑顔を浮かべ、ジンにねぎらいの言葉をかけた。
「クルミを守ってくれてありがとう。ここは僕がいるから、君は下がってもいいよ」
クルミは斜め後ろにジンを従えてリビングへ向かう。
ノックして入ると、兄のカイトは部屋の中央にあるソファに座り、お茶を飲みながら新聞を読んでいた。
クルミに気付いた兄はパッと笑顔をほころばせて立ち上がる。
そして大股で歩み寄り、クルミを思い切り抱きしめた。
クルミの額にキスを落とし、心配そうに顔をのぞき込む。
「心配したよ、クルミ。また獣に出遭ったんだって?」
「えぇ。でも彼が守ってくれたの」
「彼?」
クルミが振り返り視線でジンを指すと、兄はクルミから離れながら少し眉を寄せてジンを見つめた。
ジンは初めて会った時と同じ穏やかな表情で兄に挨拶をする。
兄はホッとしたように笑顔を浮かべ、ジンにねぎらいの言葉をかけた。
「クルミを守ってくれてありがとう。ここは僕がいるから、君は下がってもいいよ」