お伽噺
これが私、唄子です
毎朝小鳥たちのさえずりで目が覚めるの。
窓の外にいた小鳥たちに何の話をしているのって聞いたら逃げられちゃったわ。残念。
窓をから見える景色はヨーロッパの雰囲気が漂う可愛いお家やアパートが見えるの。
そして遠くの方に小さな御城が見えて――あ、小さくはないわ。ただここからだと小さく見えるの。それほど御城が遠くの場所にあるのよ。
けれど自分の服を見るとボロボロの布切れを無理やりつぎはぎしたような、御世辞にも綺麗とは言えない代物。
部屋だってそんな自分に似合った場所なの。ねずみが出てきてもおかしくない屋根裏部屋。
そこで私は毎日毎日思うの。
ああ一度で良いから御城の生活をしてみたいわ。って。
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