ぜんまい仕掛けの歌姫 ~儚唄~
此処はどこだろう…?
私はあたりを見渡した。
あたり一面に広がるのは、背の低い草。
心地よい風が吹きぬけ、私の頬を撫でた。
あぁ…きっと夢なんだ。
私は夢を見ているんだ。
声を出してみた。
声が普通に出る。
アリーレはどこなんだろう?
あたりを見渡すと、アリーレが立っていた。
「アリーレ!」
私はアリーレのところに走った。
アリーレが微笑みながら、私を抱きしめた。
「私ね、アリーレに話さなくっちゃいけないことがあるの」
私はアリーレに伝え始めた。
―アリーレ、私はあなたのことが
―大好きだよ