甘々ストロベリー*。
「今日のSHRって何だったっけ」
「係り決めだってさ」
「へぇー」
私が苛立っているとでも思ったのか、沙耶は微妙に声のトーンと共に話題を変えた。
「じゃあ立候補制だったら大変なことになるね」
「……えっ、なんで?」
はぁ?と怪訝に眉を潜める沙耶。
何となくバカにされた感があるのは気のせいかな。気のせいだね、うん。
彼女は小さくため息をつきつつ、あのね、と口を開いた。
「ヤツは人気なんだよ。……つまりっ!!」
沙耶がビシッと私の顔の前に人差し指を突き立てる。指、細いなぁ。
「ヤツが手を上げた係りは競争率が高いからほとんどなれない。……つまりっっ!!」
沙耶はドヤ顔で私の目の前に人差し指を尽きたてた。2度目だ。
心なしか、さっきより目が輝いて見える。
「――私たち、『ヤツに興味ありませんグループ』は、ヤツが手を上げた係以外にはすんなりとなれてしまうわけであーる」
「な、なるほど」
あまりの気迫に気後れしつつ、それはラッキーじゃないかと考える。
沙耶の、ヤツに興味がどうのこうのっていうネーミングセンスについては
とりあえず置いて置くとして。