甘々ストロベリー*。
「えーと、次。緑化委員なりたい人いますか」
私はここぞとばかりに小さく手を挙げる。
違和感のない程度に辺りを見渡し、誰も手を挙げていないのを確認する。
よし、と心の中でガッツポーズを決め、黒板の「緑化委員」の欄の下に「雨宮」と書き加えられる。
なりたくもない係りになるよりも、
適度に人気のない、そこそこやりがいのある係りの方がいいと思ったからだ。
「……」
隣をちらりと盗み見る。
窓の外を眺めてるのか、ぼーっと宙を見つめている。……っていうか。
「(綺麗な顔、してんなー)」
思わず見惚れてしまったのに気づいて慌てて視線を彼から引き剥がす。
なんか、女子があれだけ話題にするのも分からないでもないかもしれない。