恋愛遊戯【完】
キャーッとはしゃぐ彼女たちに、青春だわあ、なんて微笑ましく思ってるあたしだから、香奈ちゃんにおばさんくさいと言われてしまうのかもしれない。
――ていうかナツメがモテてる。
皆本性を分かってないな、あいつの。そんなクールな男じゃないのに。
なんだかあたしだけがほんとのナツメを知ってるみたいで、少しだけ優越感に浸る。
「この前ほのかがナツメくんにアドレス聞いたらしいんだけど、好きな子にしか教えないって断られたらしいよー」
「何それ、めっちゃかっこいいじゃん」
「ていうか、あんまり女子と話してるの見ないよね?」
「彼女とか居るのかな?」
ふとそこまで聞いて、無意識に眉を顰めた。
……彼女。そういえば、聞いたことなかった。
ナツメとは中学のころから一緒だけど、恋愛の話とかは、あんまりしないし。
学校じゃよく話したけれど、……というか向こうが一方的にあたしに嫌がらせしてきたけれど、外で遊んだことなんかもないから、アドレスも知らない。