恋愛遊戯【完】
【やっぱさ、俺……ミクのそういう単純だけど素直で純粋なとこ……いや、なんでもない。】
そのあとに一瞬見せた切なげな表情のあとに、レンくんは困ったように笑い、
【……そろそろ帰ろうか。】
と立ち上がって二人、公園を後にした。
【(レンくん、すごく寂しそうな顔してた。ねえレンくん、何を言い掛けてたの……?)】
――待って、これは……。
「香奈ちゃん、もしかするとレンくんはまだあたしのことを好きなのかもしれない」
「ごめん1ミクロンも興味ない」
「美紅だけに? “1美紅ロン”? ……香奈ちゃんったら……クスッ」
「……今以上に友達に殺意を覚えたことはないんだけど」
「こうしちゃいられん。今日は帰ってストーリーを進めようと思う」
「もしゲームのためだけに授業を放棄して帰宅するなら、私と絶縁する覚悟はしといてね?」
「アハハ、冗談に決まってるじゃナイデスカ」
香奈ちゃんの本気の真顔を見て、愛想笑いを浮かべる以外に私になす術はなかった。
――ねえレンくん、希望はあだある? あきらめなくていい? まだ好きだよ。