指輪にまつわるエトセトラ



「プライベートの映像が溜まってきちゃったので、整理しようと思って。」

「へぇ。じゃあ手伝ってやるよ。今日ヒマだし」

「いえいえいえいえ(冗談じゃない)、大丈夫です!」

「まぁ、まぁ、」



そのまま押し問答がしばらく続き、結局は強引なオレ様社長(って書くとケータイ小説の王道ヒーローのようだ)の意向に添う形となった。


恨むべきは、雇われの身であること。
それから、私用で会社の機器を使わせてもらっているこの状況である。


先程まで編集していた【2009年:軽井沢】と書いてあるディスクを取り出すと、佐久間さんがポツリと言った。


「―…いまのが、山岡の彼氏?」




――…だったら、何なんですか。





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