手すり向こうの楽園へ


信じてみたくなった自身など救いようがないから、私は笑えもしたのに。


助けられた。
助けられた?


どうなんだろうか、彼女をまた泣かせてしまった私は助けられたと言えるのか。また彼女を泣かす私は――


考えようとしたら、あいつが言ったことが頭に過り――ああ、やっぱり助けられたんだと納得した。


手すり向こうの楽園へ。生きているからこそ祝福されたこのじゃりの地で。


私は彼女の温もりを感じ、それはまた彼女も然りで――何にせよ、身勝手は私だったかと、「ごめん」を口にした。


彼女は言う。


死んでも許しませんからね、と怒る。泣きながら。



それは嫌だな、と私はあいつに似た笑みを浮かべて、彼女を抱きしめた。



雨音に混じって、彼女のすすり泣きが聞こえる一方、先ほどからあいつが私の頭の中で主張(反芻)する。


いつも通りの薄い笑顔で――


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