海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
ところが5人共石の様に固まって、身動き一つしない。


黒木屋先生に視線を向けると、先生も瞬きを繰り返して固まっていた。


えっ…何この空気………


「皆ごめん……変だったかな?今の演奏……結構自信あったんだけど………」


気マズイ苦笑いで、ピアノを撫でる。


その時、誰かがすすり上げる声が聞こえた。


「はっ、浜口!?」


見ると浜口が両手で口元を覆って、瞳にいっぱい涙を溜めていた。


「どうした浜口!?オレの演奏、そんなにメチャクチャだったのかっ!?」


焦ったオレは、大慌てで浜口の前まで行った。
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