海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
でもよくよく見てみると……桐生の頬には、涙の雫が流れていた。


「桐生!?」


「あっ…ごめんなさい………わ、私も小梅みたいに感動しちゃって……ワッ、止まらない……どうしよ…」


コシコシと涙を拭く桐生は、何だか物凄いカワイかった。


オレの心の中に、暖かいものが流れて来る。


フッ…と小さく笑って、涙を拭く桐生の頭を撫でた。


「桐生……この曲な?オレが作ったんだ。音楽祭で歌詞付けて、お前に歌って欲しくてな?」


「えっ……!?」


バッと顔を上げた桐生の涙が…ダイヤ並みに輝いて見えるのは、どうしてか。
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