海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
「オレ前にも言ったろ?桐生の歌には人を引きつける力がある。オレはその力を一部だけで収めてないで、皆に広めて欲しいんだよ」


スッと頬を伝う涙を指で拭う。


桐生の頬の熱さが、1℃位上がった気がした。


「お前がどーーーうしても嫌だって言うなら、強制はしない。でもどうだ?この曲に合わせて、歌ってくれないか?」


目線を桐生に合わせたまま、彼女の返事を待った。


内心、口から心臓が飛び出て来そうな程緊張してる。


それでも答えを待つ事、数秒後………


「…私……本番で失敗しちゃうかもしれないよ?それでもいいの……?」
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