海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
ウルウルの涙目で切実に訴えかける桐生に、心臓が跳ね上がる。


“卓磨って呼べ”言っただけなのに……不謹慎だけど、カワイイって思っちまった………


「でも…音楽祭一緒に出るのに、お互い名字で呼び合うのはさ……」


かなりよそよそしくないか?


「だ、だだだだけどムリ!恥ずかしい……///」


涙目のまま真っ赤な顔で俯く桐生。


そんな顔されたら、強制する事も出来ない。


「あーー…うん。そっか分かった。じゃあ変えなくていいよ」


結局微妙に気マズイ空気のまま、オレは桐生を家まで送り届けた。


初めて見たよ桐生家……
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