海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
驚き度が高過ぎて、いつもより乱雑な言葉遣いの私が出て来ました。


「コーチ!?卓磨君のお姉さんが私の歌の!?な、なんで!?」


「卓磨のピアノについてはオレが専門だ。だけど歌の方だったら、音楽の先生の方が適任だろう?」


スラスラと話す哲兄の隣で、卓磨君のお姉さんはコクコク頷いている。


「卓磨に海ちゃんは歌凄い上手いって聞いて、私アナタの歌聴きたかったのよ!弟の同級生だし、海ちゃんの弟は私の教え子だし、断る理由も無いかな?って♪」


まるで女子高生の様にキャピキャピと話すお姉さんに、物凄く申し訳なくなった。
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