海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
ソファーに座った聡実さんが涼しげな笑顔を見せた途端、いきなり緊張し始めて来た。


「海、家でテープのオレの演奏に合わせて練習したよな?」


「うん……」


どうしよう…ギャラリーは3人しかいないし、ここはだだっ広い体育館じゃない。


なのに口から心臓出てきそうな程緊張し過ぎて、軽く目眩がして来たよ……!


「大丈夫大丈夫…頑張れ私……」


真っ青な顔で震えながら掌に人という字を書く。


流れ出る汗を拭っていると、頭をポンポンと撫でられた。


「大丈夫夫だって海。今は本番じゃなくて練習だ。気楽にやればいいんだよ」
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