海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
柔らかく微笑む卓磨君のステキな笑顔。


その笑顔は不思議と、私の不安や緊張を取っ払ってくれた。


「うん…頑張るよ」


ちっちゃくガッツポーズすると、卓磨君は笑顔のままピアノのイスに腰かける。


私はホッペを両手で包み込んで、自分に言い聞かせた。


大丈夫……卓磨君が言った通り、これは練習。


この位の規模で緊張なんかしてたら、音楽祭本番はどうするの?海。


卓磨君が私を変えるきっかけにと、せっかくくれたチャンス。


そのチャンスの初めての一緒の練習なんだから、気を引き締めてやらなければ!!


よし!!
< 212 / 403 >

この作品をシェア

pagetop