海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
“褒めてるよ!”とふて腐れた氷翌ちゃんが、兄の胸をポカポカと叩き出す。


「分かった分かった。ありがとな氷翌」


妹を宥めた卓磨君は、ゆっくりと私の方に頭を向けた。


「海、オレもお前の歌声と一緒にピアノ弾くのスッゲェ楽しかった。これから練習重ねて、もっと最高のもの作ってやろうぜ☆」


卓磨君が左手を自分の顔の横に、パーの形で持ち上げる。


何だろう……何かの合図?


首を捻っていると、卓磨君の後ろで哲兄が両手を合掌の様に合わせているのが見えた。


あっ………!そういう事か!


「了解…頑張ろう卓磨君」
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