海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
前に比べたら、大分打ち解けたオレと海。


この練習も、黒木屋先生が“ごめんごめん!”と大急ぎで戻って来るまで、メッチャ和やかに進んでいた。


「もう!哲兄遅いよーー」


「よーー」


「卓磨、お前なんかムカツク!!」


音楽祭が近づくにつれ、オレ等の距離が短くなって行く様で……本当に嬉しかった。





だけど。


まだ14歳のガキのオレは、何も分かっちゃいなかった。


表面上しか見てなくて、深い部分を見ようとしていなかったから


自分の勝手な考えのみで、大切な海の事を傷つけてしまったんだ――――……
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